民法改正が賃貸借に与える影響

賃貸目的物の一部滅失または
一部使用収益不能の場合の賃料の当然減額

改正民法では、「賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることが出来なくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することが出来ない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をする事が出来なくなった部分の割合に応じて、減額される。」と定められています。

当然減額という事は、一部滅失した部分については、減額請求がなされなくとも減額されるという意味で、使用収益出来ない部分の賃料が不発生となるという事です。

また、改正民法では、賃借物の一部が滅失していない場合であっても、その一部の使用収益が出来なくなった場合も、その部分に対する賃料は当然減額されることになりました。従って、風呂が故障して風呂に入れないという場合は、風呂の使用が出来ないことに対応する賃料部分は当然に減額されます。

減額の算出方法は、日割り計算で行います。
<計算例> 
①ガスが6日間使えなかった場合 月額賃料10万円
10万円×賃料減額割合10%×(6日-免責日数3日)/月30日=1,000円の賃料減額(1日当たり約333円)
②エアコンが6日間作動しない場合 月額賃料10万円
減額割合5,000円×(6日-免責日数3日)/月30日=500円の賃料減額(1日当たり約166円)